ORGANZATION
2024年度組織について
2024年度は福田陽理事長を中心とした体制で
宇都宮を輝かせます。
BASIC PRINCIPLE
基本理念
SLOGAN
スローガン
BASIC POLICY
基本方針
1.まちの主役となる多様性溢れる人財の創出と郷土愛の醸成
2.ひとがつながり主体的に参画する共生のまち宇都宮の創造
3.共感が発展の好循環を生む幸せの連鎖が起きる組織の実現
4.多様な価値を受け入れ誰もが輝き進化し続ける組織の確立
TOP MESSAGE
2024年度 理事長所信
【はじめに】
宇都宮市は、日本最大の平野である関東平野の北部に位置し、南北・東西の交通の結節点である恵まれた立地条件と各種都市機能の集積などにより、栃木県の政治・経済・文化の中心地であると同時に首都圏の北の拠点として発展してきました。昨年には、発案から30年の月日をかけて、宇都宮駅と清原・芳賀工業団地を結ぶ次世代型路面電車LRTが運行を開始し、いまなお進化を続けています。
1967年に設立された宇都宮青年会議所は、この宇都宮に根ざし「より明るい豊かな社会」を実現するために、「ふるさと宮まつり」をはじめとした確かな活動による信頼に裏付けられ、本年で58年目を迎えます。この58年という歳月は、宇都宮青年会議所で仲間と共に自己研鑽を重ねた先達が、宇都宮というまちを形づくってきた軌跡でもあります。
しかし、現在の私たちは過去に経験したことのない人口減少時代を迎え、生産年齢人口の減少と限られた資源の中で、これまでと同じような右肩上がりの成長を目標にはできず、物質的な豊かさから、「ひと」とのつながりなどの精神的な豊かさへ、価値の転換を迫られています。また、予測できない自然災害や不安定な世界情勢に左右され、私たちを取り巻く環境は目まぐるしく変化し、AI の発達をはじめとした急速な技術革新などもあって、未来を予測して計画することが難しくなったこの時代においては、スピード感をもって青年会議所としての存在意義を示していかなければなりません。困難に満ちた正解のない社会でも、率先して行動し、未来を切り拓くのは、やはり我々青年の仕事だからです。
人と比較をして劣っているといっても、
決して恥ずることではない。
けれども、去年の自分と今年の自分とを比較して、
もしも今年が劣っているとしたら、
それこそ恥ずべきことである。
【組織の多様性】
宇都宮青年会議所は、複数年にわたり理事として運営を担ってきた会員の大半がこの数年で卒業となり、近年では経験したことのない組織としての転換期を迎えることになります。しかしながら、この会員構造の変化はマイナスだけではなく、青年会議所の本質を守り、維持しつつも、志をもって入会した同志の挑戦や成長を妨げる物理的、心理的障害の要因を根本から追求することで、組織として進化を遂げる好機とも捉えられます。
一番大切なことは、いま一緒に活動するメンバーや、これから青年会議所の門をたたく未来の同志が、性別や働き方にかかわらず誰一人取り残されることなく、限られた時間の中で自らと向き合い、困難に立ち向かい、社会を牽引する人財へと成長できる組織であることです。そして、多様な価値観を受け入れる寛容さも兼ね備えた組織として確立し、宇都宮青年会議所の未来を次代につなげます。
【主役はひと】
他者とつながることで今の自分が形づくられ、まちの主役はそこで活動する「ひと」でしかありません。宇都宮市は、コロナ禍によるテレワークや多様な働き方の拡がりによって、豊富な住空間と東京圏への利便性から移住先として注目される一方で、進学や就職に伴って転出する人の割合は依然として高く、生産年齢人口の減少につながっています。
青少年期の教育により郷土愛を醸成することは将来ふるさとに戻るきっかけとなる重要な要素であり、本年で42回目となるわんぱく相撲宇都宮場所は、参加した子どもたちの一生の記憶に残る強烈な原体験を与え、相撲を通じて「礼」を学び、努力することや相手への思いやりの大切さを教える大切な機会となります。相撲協会などの関係団体との連携をさらに深め、開かれた開催組織として確立することで自走する運動として洗練させ、心豊かな青少年の育成という運動の本質を強力に推進させなければなりません。
また、私たちの健全な心身の基となる、口から体内に入れる食べ物。その食べ物がどこで、どのように作られているか普段から意識しているでしょうか。宇都宮市において農業は食料の供給を通して市民の命を守る基幹的産業であり、農業振興地域は全市面積の約6割を占めるにもかかわらず農業従事者は減り続け、他の産業と比較しても労働力不足と高齢化が深刻化しています。当たり前ではない生命の大切さや食のありがたみが市民の心に強く刻まれる機会を創出することで、多様な働き方や女性活躍のモデルとして「ひと」を輝かせることができれば、将来の担い手不足という課題解決への原動力となるでしょう。
【共生の社会】
新型コロナウイルス感染症によってこれまでの日常は突如として失われ、混沌とした空気が社会にまん延する、そんな時代に生きていることを私たちは突きつけられました。長期間にわたる行動制限や、「不要不急」という言葉によって、その人とのつながりを維持すべきかどうかまで検討せざるを得なくなり、その結果、一人ひとりの自己肯定感や幸福感を醸成する重要な要素である「人と人とのつながり」の格差が拡がりつつあります。
私たちが日本青年会議所主催の第70回全国大会主管を獲得して以降、社会に変革をもたらすため取り組んだテーマが、互いの強みを活かしあいながら弱みを補いあう「共生の精神」です。いまこそ、個人の幸福な人生と持続可能な活力ある社会を実現するために、あらゆる人々が率先して参画し相互のつながりを形成できる、この時代に適した地域社会のモデルを構築することで、コロナ後の「共生の社会」を私たちの手で実現しましょう。
また、人口減少時代においては、関係人口によってまちの賑わいを生み出すことが地方創世のカギとなります。本年で49回目となる「ふるさと宮まつり」は県外で生活する多くの人の目的となり、関係人口の増加につながる大切な機会となっています。第50回の節目に向け「であいとふれあいの広場」の重要性を改めて認識しつつ、市民が私たち開催組織と主体的に関わる機会を創出し、宇都宮にかけがえのない季節の風物詩として成長した「ふるさと宮まつり」の新たな形を見出していきましょう。
【共感の構築】
まちにより良い変化をもたらすためには、多くの関係者との連携が不可欠であり、それは新たな仲間との出会いにつながる表裏一体の活動でもあります。そして、すべてのメンバーが入会して良かったと心から感じ、その経験を家族や会社、友人に伝播させることが、宇都宮青年会議所の確固たる地位を築くために、なにより効果的な運動となります。
また、まちのため、ひとのために、どんなに素晴らしい事業を構築しても、それを求める市民の目に届かなければ、まちを巻き込み自走する運動へと昇華させることはできません。コンプライアンスを遵守しつつ、多様化する発信媒体の特性に合わせ、適切な時期に市民の共感を得る魅力的な情報発信の手段を体系的に構築する必要があります。さらに、事業を構築する段階から、行政や関係する団体はもとより、市民一人ひとりにも関係者の裾野を広げることで、私たちの運動に共感する同志を一人でも多く見出すことができます。そして、多様なメンバーのニーズに対応した発展と成長の機会を提供し、それぞれが目標を達成できる人財となることで幸せの連鎖を起こし、組織の発展の好循環を生み出します。
【世界との友情】
私たち宇都宮青年会議所が、これまでに地域の課題解決に本気で向き合い、より良い変化をもたらすための活動をしてきたことは言うまでもありません。その上で、日本青年会議所の有する様々な役割に出向することは、栃木県全体や関東地区、国家や世界にまで視野を広げ、宇都宮に居ては気付けなかった新たな価値を、外からの視点で見つけられる貴重な機会です。
より多くのメンバーが、この出向の経験や出会った人脈を宇都宮青年会議所に還元することによって、個人の成長はもちろん組織にもパラダイムシフトが起こり、地域課題の新たな解決方法を見出せる組織へと発展することができます。そして出向によって、国家の主権さえ超える友情を築く広い心持ちを学ぶことで、多様な価値観を受け入れる寛容な組織風土を醸成させ、「ひと」が輝き、その「ひと」がまちを輝かせる、ひととまちの好循環を生み出します。
【組織を守る型】
伝統芸能や武道などにおける「型」とは、先人が長い間の経験や工夫により編み出した修錬の様式であり、「業の集積、心の集積」としての形であるといわれています。そして、宇都宮青年会議所の型は、定款や諸規程、そしてこれまでの膨大な経験値が集約された議案書に表れています。
地域や市民を牽引する運動の実現は、組織の型を守り、青年会議所たる秩序を守る役目を持つメンバーの支えによって成り立っていることを忘れてはなりません。型から学び、先達の経験値のすべてを吸収し、さらに時代の変化とともにその型を自ら打ち破ることによってこそ、これからも地域から必要とされ、メンバーの成長につながる組織へと進化を遂げることができるでしょう。
【結びに】
コロナ禍においても、この故郷宇都宮のために、住み暮らす市民のために、同じ志を持つメンバーのためにやるべきことがありました。だからこそ、外出自粛のさなかでも私たち宇都宮青年会議所は活動を止めることなく、オンラインでの会議をいち早く取り入れ、感染のリスクや参加者の不安を極力減らし、事業を積み重ねてきました。
特に、2021年10月のオンライン配信と併用した第70回全国大会とちぎ宇都宮大会は、日本青年会議所の諸大会で初めての取り組みとなる、来場者全員のワクチン接種確認と抗原検査の対策をした上で実現されました。緊急事態宣言解除からわずか1週間にもかかわらず、3,000名を超える各地青年会議所メンバーが宇都宮を訪れ、感染者数の増加を招くことなく開催されたもので、その活動の軌跡はまさに社会の先駆けとなりました。
どんなに困難な状況下であっても青年会議所が架け橋となり、組織を超えて人と人とを有機的につなげ、課題解決への運動として昇華させることによって、宇都宮市に幸せの連鎖を起こしましょう。私たちが、自らの内にある個性を伸ばし、光輝かせることによって、無意識のうちに他の人々やまちを輝かせる光となるのです。
磨きましょう、己自身を。